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:けもの;妖しの物とも呼ばれる。今はもうどこにも存在しないとされる種族。一説には空想上のものともいわれる。人と違う異形の体を持ち、様々な特異能力をもつ。能力は個々によって様々であり、弱いものは単に人の数百倍の怪力を持つものから強いものになると空を駆けたり触れずに物を破壊する力を持っていたりする。外見は人前に出るときは人や動物の姿に擬態しているが本性はとても醜く恐ろしい姿をしている。力が強いものほど人として完璧な姿に変化できる。共通して本能のままに動き自分勝手な面もあるが力の強いものには絶対服従であり王の獣のもとある程度の統率は取れているといえる。

cf. )王の獣:おうのけもの;獣の中の長。斎王が使役する獣。獣全てを率いておりその特異能力がどのようなものであるのかは計り知れない。寿命ともいう物が存在せず、王の死と共にその生を終えるといわれる。斎の王を唯一選ぶことが出来る存在。


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斎の一族:さいのいちぞく;獣を飼いならし使役する。国を持たず山や林の中を移動しながら暮らす。多額の金品と引き換えに暗殺や誘拐など何でも引き受ける闇の一族。常に移動しながら暮らしているためその実態を知る者はほとんどおらず、普通の暮らしを送っているものには縁が無い一族でもあるため存在そのものを知らないものも多い。一族が何人居てどのくらいの規模の集まりなのかすら定かでなく、数百人の一族であるとも数人しか残っていないとも云われる。

cf. )斎王:さいおう;斎一族の長。王の獣ただ一頭のみを使役する。獣を使役することを斎の一族は『契り』と呼んでいるが王は王の獣と『契り』を交わすことで不老不死の体を手に入れることになる。長いと数百年もの間一族を治める王も居る。王は獣が選び血筋とは関係なく、その生もまた王の獣が相応しくないと判断したときにその刃で死をもたらす。


四精:しせい;水火土風の精霊の総称。この世界は水火土風の四大元素で形成されていると言われており、それらの元素を司る一族をそれぞれ水精、火精、土精、風精とよぶ。遠い昔には精霊使い(シャーマン)と呼ばれる一族が居て、精霊を自在に操ったといわれるが、現在においては精霊使いが滅亡したため其の術は失われている。一部魔法士の間で簡易な術が伝わっているが、たいていの人には力を借りることはおろかその姿を目に捉えることも難しい。この世界とは次元の違うところに精霊たちの住まう国があるといわれているが、行き来はもとより、所在すらはっきりしていない。
刹那が使い魔として使役しているのは四精のうちのランクで言えば上の中くらいの位置に居る精霊。どちらも人外であるために元々交流があったようだ。


流浪の民:ジプシー;特定の国に属さず、世界を放浪する人々の総称。この世界では特定の国に国籍を持つものだけがその国に住むことを許されるため、戦争で国を追われた者や事情により国を出たものは他国で居を構えることが出来ない。そのため世界を廻りながら生活をするモノも多い。またジプシーの中でも様々な派閥があり凶悪な集団やそうでないものなど様々。


スラム:すらむ;流浪の民(ジプシー)達が住む居住区の総称。別名廃都。ジプシー達は国籍を持たないため、各国に住居を構えることができない。そこで、国と国の境目にある廃墟同然のような建物などに自然集まるようになり、そこが小さな街のような状態になったものをスラムという。スラムは世界各国に無数あり、ジプシーの数も多数いる。元々は国が廃れ廃墟となったところにジプシーたちが住むようになった場所を廃都と呼び、ジプシーたちが集まり街のような状態になってしまった地域をスラムと呼び区別していたが今ではその区別はない。


清都:せいと;清都は機械化の進む世界のなか未だ占(セン)のものとに全てが決定される国であり、古い習慣や信仰が根強く残る国である。しかしながら、その力は機械化の進んだ国からも認められるほど。そのためその力を自国の発展に利用しようとする他国からのたびたびの侵略の危機にも侵されており、国は他国からの一切の入国を拒み鎖国状態である。古くから清都の王は女帝であるというしきたりがあり、先代の王が死の間際に次代の王を先見し決定する。清都にはここ数十年王が不在の状態がつづいており、先代の王の遺言と王の妹であった真子羅(マシラ)を中心とした執政官たちが国を支えている。

cf. )清姫:せいき;清都の王。代々女帝と決まっている。清都の民はほとんどの者が占(セン)と呼ばれる術を使うことが出来るが、その長たる清姫は国の全てを決定付ける未来をも先見することができる。清姫は先代の清姫の先見によってのみ選出される。血筋などは関係ないと言われるが、清姫の生まれやすい家柄というものはあるようで自然王の血筋を持つ家柄は限定されてくる。現清姫たる娘がいったいどこにいるのか、どうしているのかは誰も知らないが、先代の清姫の死の際の先見により、この世に生を受けていることだけははっきりしている。


:せん;清都に住まうほとんどの民が使役することの出来る特殊な術。未来を予見したり、物事の吉兆を占うために用いられることが多い。力の強いものになると、念じることである程度望みのままに未来を変えることができるといわれるが、それほどの力を持つものは現在のところ清姫であっても稀にしか生まれない。


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契り:ちぎり;契約とも。斎の一族が獣とかわす契約のことを一般的にこう呼ぶ。斎の一族は、特に術などに秀でた一族ではなく、その潜在能力の高さを誇示するすべを持たなかったが、獣を使役するコトを覚えた後はその生活から何もかもが一転した。契約は無条件でかわされる事は無く、たいていの場合が、獣を使役する代わり、死後宿主の血肉を獣に分け与えるという内容。斎の民の一族の血肉は獣にとっては滋養となるらしい。宿主の力が自らに与える力を吟味した上で獣が是といえば契約は成立。契約後、コノ世界で実体を保つ事が難しい高次生物である獣は、宿主の血肉の中に住まい、宿主は、獣がもつ得意能力にかんしては無条件で使用することが出来る。また、体力や運動能力など人並みはずれた力も手に入り、怪我や病気のし難い肉体を手に入れる。ただし、王のような不老不死という力はない。とはいえ寿命はごく普通の人間と比べると長くなる。

cf. )斎王と一般の斎の民との相違点:王と王の獣は契りを交わした後も、一体化することなく、獣は王のそばにいて常に其の身を護る。王は獣と契約を交わした時点で成長が止まり、不老不死の肉体を手に入れる。王の死は、その者が王に相応しくないと獣が判断した時点で獣の刃によってもたらされる。また、王の獣も死後、王となる者の血肉を得ることを条件に契約を交わすが、一般の獣が自分の能力を高める為に斎の民の血肉を欲しがるのとは異なる目的のため。基本的に王の血肉は潜在能力は高いが強すぎる薬のようなもので、それを食らった獣自身をも死に至らしめる。つまり、王の獣は自らの死のために王の血肉を得ようとするのである。


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真子羅:マシラ;前清姫、沙里阿(サリア)の実妹。沙里阿とは実に13もの年の差がある。現在22歳。穏やかでおっとりした性格もあり、清都の民からの支持率は高い。占の実力もあり、沙里阿の死後彼女こそが時期清姫ではないかという噂も出たほど。しかし、本人にはその気も無く、実際の後継者も他に居るということが判明したため現在は執政官を率い、国を維持する役に徹している。沙里阿の遺言の中にあるとおり、次期清姫を見つけ次第殺すよう執政官達に命じてはいるが、そのことに対し、本人としても本当に正しいのかどうかは判断がつきかねている状態。しかしながら、清都において清姫の占は絶対であるため覆すことが出来ないということも誰よりも理解している。
瀏斗とは幼馴染という間柄。お互いそれ以上の感情は今のところ無い模様。


魔導師:ソーサラー;清都の民や斎の一族など生まれ持った能力を操る得意能力者のことを魔法士と相対してこのように呼ぶ場合がある。魔導師はなろうと思ってもなれるものではなく、生まれ持った才能によって大きく能力が左右される事が多い。


魔法師:マジシャン;魔導師が生まれ持った能力に寄るところが大きいならば、魔法師は修行や勉強などの努力などが大きくその能力を左右するもの。複雑な儀式(リチュアル)や神秘的象徴(シンボル)を掲げ、魔韻をこめた言霊を用いて呪文(スペル)をくみ上げて精霊の力を一時的に借りる事で力を発揮するタイプが最も多い。基本的に魔法はセンスや潜在能力が多少足りなくてもその後の修行で補える事が多い為、使う気になれば誰にでも使えるが、魔法王国である湮(イン)がその術を外に公開することがないため、現在では湮の国のモノしか魔法使いと呼ばれる種族は居ないのが実情。


召還装置:モデム;梁國の発明した『魔法』を使うための装置。転送回路(LAN)を通じて梁國中枢にある母体(マザー)と術者間で信号を通信し、召還装置を用いて術を使う。術者はイマジネーションで使用したい武器や装置を想像し、LANを通じてマザーにイメージを転送すると、マザーからその武器に相当するコードが配信されモデムを通じて実体化される。モデムやLANは基本的に人体の中に直接埋め込まれており、性能が良いものほど大きな容量を必要とするため大きなものとなる。そのため腕は足を義手や義足に変え、手や足そのものをモデムにしてしまうものも居る。



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梁國:リョウコク;機械を新たな術として取り入れた国。術や呪が長い修練をつまねばならなかったり血筋によって能力が決まったりするのを嫌い、能力や出身の如何にかかわらず特異能力を使うことができるように開発された彼ら流の『魔法』が機械である。その一方で清都などの古くからの能力にたいしても興味をもち、さらに清都を手に入れることで世界に対する主導権を握ろうともくろむ。


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